眼瞼内反症について
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)とは、瞼が眼球側に折れ返り、まつ毛が黒目に触って傷をつけたり炎症を起こしたりする疾患です。瞼の向きは正常なのに、まつ毛だけが一部眼球側に生えてくる睫毛乱生(しょうもうらんせい)という疾患もあります。眼瞼内反症には、先天性と老人性があります。
- 先天性内反症
- 眼瞼の皮膚や眼輪筋(がんりんきん)が生まれつき多過ぎることが原因です。この治療ですが、成長するにつれて顔がやせてきて治ることもあります。4~6歳頃になっても改善しない場合は、症状の程度によっては手術を考えます。
- 老人性内反症
- 瞼の皮膚が相対的に余ってくる(瞼の皮膚や眼輪筋が緩む)ことが原因です。
治療としては、まつ毛を抜き続けてもよいのですが、症状によっては手術が必要です。糸かけ術(埋没法)は短時間で済みますが、再発することがあります。眼輪筋を縫い縮める手術は約40分かかりますが、再発しにくくなります。
- 睫毛乱生
- 睫毛の毛根部の炎症が原因で起こる場合が多く、一部の睫毛が眼球側を向いて生えている状態です。黒目に睫毛が触るので異物感が出たり、視力障害が見られたりします。